こころに寄り添うことから始める家族対応
家族の生活は利用者が全てではない
利用者の家族対応に頭を悩ませている介護スタッフは少なくないのではないでしょうか。
どうすればよいのか、いつもと違った角度から考えてみましょう。
相談をせずクレームを入れる家族
例えば、入浴介助スタッフが男性で、それを嫌がる女性利用者が家族へその不満を訴えた場合、家族から施設へ「クレーム」が入ることがあるかもしれません。施設側は、利用者の「嫌だった」という想いを知らなかったとはいえ、頭を下げ、入浴介助が男性の際は時間帯を変更して介助するなどの対応をしなければいけません。
その家族は「配慮のない施設」と感じたり「無理やり介助されているのではないか」という不安や心配を感じたりして「クレーム」をしたのでしょう。
「クレーム」ではなく「相談」ならば、スタッフが頭を悩ませることも少ないのですが、自身の生活で精一杯な家族にとって、冷静になって考えることは難しいものなのです。いつか「施設は敵ではなく、共に乗り越える仲間なのだ」と思ってもらえるよう、真摯に向き合いながら関わりましょう。
呼び出しを面倒に感じる家族
介護施設によっては、保証人である家族を頻繁に呼び出さなければいけない状況も少なくありません。家族がなかなか来てくれなかったり、来ても笑顔一つ見せずにすぐ帰ってしまったり、介護スタッフに不満を吐いたりする方もいるかもしれません。
でも考えてみてください。
仕事で忙しい中、貴重な休みを潰し、もしかすると仕事があったのに休みを取って足を運ばれたのかもしれません。それが何度も続けば「またか」と思い、笑顔も足りなくなってくるでしょう。
介護スタッフの苦労は、家族には伝わりにくいものですが、わざわざ伝えるものでもありませんので、逆に、自分が家族の苦労を理解してあげられているか時々振り返ってみましょう。家族から介護スタッフへの不満は、伝えてくれるだけまだ良い方です。しっかりとその不満を聞いて、家族の精神的負担を和らげ、自分自身介護に活かすようにしましょう。