ひとりひとりに寄り添う「整形靴」
整形靴とは
扁平足や外反母趾、左右の脚の長さに差があるなど、足にトラブルを抱えている人でも履き心地がよく、歩行をサポートするための医療目的の靴のことです。各個人の足の形状や症状に合わせて作られていて、足の型を採って木型から作るものと、既製の木型を修正して作るものがあります。
整形靴の役割
患者一人ひとりが抱える悩みに合わせ、様々な対策を行うことができます。痛みがあって既製靴が履けない場合でも、整形靴によって変形の進行を遅らせたり痛みを軽減させたりして、より歩きやすくサポートができます。
整形靴を求める人の抱える悩みには、扁平足や外反母趾などの他に、外反足や開張足など、あまり知られていないものもあります。また、ケガや病気で足に麻痺や変形が起き、歩行が困難になってしまった人々に対して製作する場合もあります。
そのような人に対して足に合った靴を提供して足のトラブルを改善、もしくは軽減しながら日常生活を快適に過ごせるようサポートすることが、整形靴の役割です。また、最近はデザイン性があり、ファッションを楽しむことで精神面もフォローされるような、フルオーダーの整形靴もあります。
整形靴を利用するケース例
糖尿病足病変という、歩行困難をまねく糖尿病の合併症があります。糖尿病足病変は、糖尿病による神経障害や血流障害が原因で起こり、具体的には、足に潰瘍ができたり、組織が死んでしまうこともあります。治療は難しく、症状が進行すると最悪の場合、足を切断せざるを得ない場合もあります。このように、糖尿病による歩行困難をサポートしたり、糖尿病足病変の悪化を防いで、切断リスクを軽減するためにも、整形靴が活用されています。