ペーパーレス化で残業がなくせる?!
丁寧で責任感のある人ほど残業が多く負担が大きい
介護職員の残業理由の多くに、介護以外の事務作業があげられます。特に就業時間に書ききれなかった介護記録の記入や、記録の転記作業です。利用者の様子を記録するとても大切なことだからこそ、多くの職員が残業して帰りますが、丁寧に書けば書くほど時間がかかり、それが大きな負担となっています。しかし、ITを活用してペーパーレス化すれば、このような残業はなくせるかもしれません。
膨大な転記作業の現実
転記作業は、大きな専用記録用紙と個人記録など複数に渡ることが多く、例えば1ユニット10名を担当する特別養護老人ホームの場合、日中ひとりでユニットを担当すると、4回ずつ排せつ介助に入ったとして、単純に40回(×転記作業の回数)も排せつ記録を書かなければいけません。もちろん記入が必要な記録は排せつだけはありません。介助だけでも大変な中、この転記作業を介助業務中に行うことは難しく、結局は残業となるのです。
IT導入で簡単記録
事業所にシステムが導入され、完全にペーパーレス化されればどうでしょうか。例えばハンディタイプのデバイスが職員全員の手元にあり、デバイスの利用者の名前をタップし、排せつ介助の項目の選択をするだけで自動的に時間が記録され、さらにそれが一覧や個人の記録など複数の記録画面に同時に反映されれば、業務終了後に行う作業はありません。あるとすればつけ忘れがないか確認することでしょうか。
その他にも、記録内容の報告をワンタップで、ケアマネジャー、看護師、相談員、全ユニットなど、一度に送ることができるというメリットもあります。さらにシステムの改良が進めば、AIが各利用者の排せつ時間を予測してお知らせしてくれる機能が搭載され、ますます業務は効率化され、その分利用者ひとりひとりにあった介護を提供できるようになります。
各事業所のIT導入・ペーパーレス化の傾向
まだまだ様々な記録作業が手書きというところが多い介護業界ですが、確実にデジタル移行が進みつつあります。
※以下は一例であり、現状は必ずしもこの通りとは限りません
居宅系(グループホーム、訪問サービス)
- 小規模事業所などは備投資の費用負担が大きく、まだ手書きのところが多いようです。
施設系
- 施設規模にもよりますが、パソコン、スマホ、タブレットなどの活用が進んでいます。
しかし、移行することをためらう施設も多く存在します。