介護に必要な「トランス介助」
トランス介助とは
「トランス」とは、移動や転送を意味する「transfer(トランスファー)」の略語です。介護用語では、ベッドから車椅子などへ乗り移りさせる「移乗動作」のことをいいます。しかし、足腰が弱っていたり、半身にまひがあったりすると、乗り移りのときに転倒・転落する危険性が高くなります。「トランス介助」とは、そんな乗り移りのお手伝いをすることを指し、他にも、車椅子と車、車椅子と床の間、車椅子と移動のために使用するリフトなど、介護の現場では頻繁に行う仕事です。
気をつけるべきポイント
一番重要なことは、介助を受ける人が転倒しないことです。一般の人よりも、転倒による骨折に繋がりやすく、ケガの影響で寝たきりになることも珍しくありません。
転倒させないようにするためには、車椅子にはストッパーをかけるなど、安全に細心の注意を払いましょう。そして、介護士は利用者の体の状態や障害の程度を把握し、それぞれの人に合った介助を行うことで、介助を受ける人は介助者に安心して身を任せられ、転倒を防ぐことができます。ひとりひとりの力に合わせた介助を行うことは、身体機能の維持や向上を目指し、自立に繋がる介助を行うためにも重要です。
また、介助者も腰痛などになる可能性が高いので、自分の身体への負担軽減のためにも、それぞれのシチュエーションによって対応できるように、トランス介助の正しい知識を身につけておきましょう。例えば姿勢は、相手になるべく近づき、足を開いて立って重心を低くするのが基本。立ち上がらせるとき、座らせるときは、膝を使うと腰への負担が軽減できます。