介護の三原則とは
介護の基本理念
1982年に福祉の先進国であるデンマークで提唱され「高齢者福祉の三原則」「アナセンの三原則」とも呼ばれます。介護職員として働く際の心構えとして、また、経験者が原点に戻るためにもしっかり理解しておきましょう。
生活の継続性
住み慣れた場所から突然環境を変えることは大きなストレスです。できるだけ変わらない暮らしを自宅で続けられるようなサポートが求められますが、介護施設へ入る場合も、それまでの生活環境やリズムなどへの配慮が必要です。例えば、使い慣れた家具を持ち込むなどの工夫をすることで、介護する側の利便性ではなく、高齢者本人の希望を優先できるようにしましょう。
自己決定の尊重
自分自身で生き方や暮らし方を決定できるような環境であることが理想です。周囲はその選択を尊重し、サポートしていく必要があります。しかし、家族や施設などの都合で様々なことが決められ、意志が十分に尊重されていない傾向があり、高齢者自身も、周囲に合わせて自分の意志を伝えられないケースがあります。胸にしまい込んだ本心を引き出してあげることも、介護職の大切な仕事のひとつです。
残存能力の活用
本人ができることも全て手助けしてしまうことは、その人の能力低下を招きます。ついなんでも「やってあげる」場面が多くありませんか。過度の介護は、本人の「やろうとする気持ち」を奪い「できること」を減らしてしまいます。能力を活かしながら生活してもらうことが大切で、介護する側は「できないことをサポートする」意識を常に持つ必要があります。