介護士が妊娠した時にとるべき対応【本人編】
妊娠報告は早めにしましょう
介護職で働いている時に妊娠した場合、どのタイミングで職場に報告し、どのように行動すればよいのでしょうか。報告しにくい職場もあると思いますし、退職すべきか、働き続ける場合は入浴介助や夜勤など体に負担をかける仕事をしてもよいのか気になるところだと思います。ここでは、介護職で妊娠したときにとるべき対応をご紹介します。
介護職の場合は妊娠発覚後すぐに報告を
介護は体を動かす場面が多い仕事です。「安定期に入ってから報告しよう」と考える人も多いですが、一般的に悪阻が多いのは妊娠初期の8週目~10週目頃です。悪阻の度合いは千差万別で、吐くタイプの悪阻の場合脱水状態に陥ることもあります。
また、そのように目に見える悪阻が無くても、体調不良や、気分がすぐれないこともあります。普段なら気合で乗り切れるような体調でも妊娠中は耐え難い状態が続くこともあります。
そんな時に、職場に理解してもらえる人がいるというのはとても心強いものです。お腹がまだ目立っていないからこそ、妊娠していることを上司には知らせておきましょう。
妊娠報告は、自分自身が配慮してもらうためだけにするのではありません。介護現場は人手不足のところが多く、職場ではいつ頃産休に入るのかという計算が早めにできれば、シフトの調整もしやすくなります。但し、自分で妊娠検査薬を使った判断ではなく、医師の診断を受けてからの報告をおすすめします。
夜勤や入浴介助は避けるべき
妊娠したからといって仕事はやめる必要はありません。むしろ、これから出産・子育てにかかるお金のことを考えると少しでも働いて稼いでおきたいところですよね。基本的に医師から仕事を控えるように指示されない限りはすぐに仕事を辞める必要はありません。
ただし、働き方や仕事内容は、妊娠前と比べて少し変わります。体調に問題がないとしても、妊娠中の無理は禁物です。体調を崩したことが妊娠継続に影響を与えないとは言い切れません。また、急変した時に身体を休められる環境が必要です。
体調が不安定になりやすい妊娠中は、動悸、息切れ、立ち眩みなど入浴介助中に起こした場合、利用者の安全をも脅かします。また、夜勤中は介護スタッフが減る時間帯なので、万が一体調が悪くなった時介護業務に当たる人が足りなくなる恐れがあります。そのような理由からも、夜勤や入浴介助は、妊娠中は避けるべきと言えます。
もし妊娠に理解のない職場の場合は、医師による指導を事業者に伝わりやすくするための連絡カード「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用しましょう。男女雇用機会均等法により、医師による訴えがあった場合に雇用主は対応しなければならないので、適切な対応を得られやすくなります。
出血があればすぐに病院に連絡・安静に過ごす
同じ状況の出血であっても、妊娠初期の出血はどうしようもないので安静にする必要はないという見解の医師もいれば、絶対安静と指示する医師もいます。しかし、本人にとって出血の不安というのは精神的に非常に大きく影響します。精神的健康が直接胎児に影響がないとしても出産・育児と長く続く母親の心のストレスは出来る限り軽くする努力が必要です。産婦人科の主治医の指示に従いながら、自分にとって健康が保てる方法で過ごしましょう。
出産予定6週間前から産休の取得が可能
労働基準法では、出産予定6週間前から(多胎妊娠の場合は14週間前)休業を請求した場合に、雇用主は就業させてはならないとされています。しかし、安定期に入ってからも悪阻が続く人や妊娠後期は貧血にもなりやすいので、妊婦検診でお腹の赤ちゃんと自分自身の体調を確認しながらいつから仕事を休むのか相談しましょう。妊婦検診は、妊娠24週を超えたら2週間に1度、妊娠36週を超えたら毎週受けるように勧められています。