介護施設で起こりうる認知症トラブル
認知症トラブルの事例と対応例
暴力
物理的・感情的距離をとりながら「不安や混乱」「感情コントロールの不能」「周囲の感情に巻き込まれている」「自尊心が傷つけられている」「体調不良」などの原因を探り、興奮を沈める個別ケアが必要です。ケアマネジャーや医師にも相談しましょう。
セクハラ
「やめてください」とはっきり伝えます。ただし「こだわり」が強く症状として現れ、拒否するとさらに続けてしまったりまた繰り返したりするため、担当者の変更を施設に相談するなどの対応をしましょう。
物盗られ妄想
「ない=盗まれた」と即断してしまいます。「あなたが盗った」と言われたら、まずは肯定も否定もせず「それは大変ですね」と同意し、落ち着いて話を聞きます。声かけをしながら一緒に探し「ありましたよ」など肯定的な声かけを。興奮が収まらないようであれば話題を切り変えてみましょう。
徘徊
居室不在が判明した場合、すぐに探さなければなりません。施設外に抜け出し事故に合うケースもあるため、施設内の捜索時間やそれでも見つからなかった場合のルール作りが必要です。
さまざまな事故
嚥下機能に問題なく自分で食事ができる人でも、時々手づかみで口に詰め込む場合、のどに詰まらせる可能性があるため、小分けにしたり、パサパサの食べ物はさらに牛乳などに浸したりしましょう。
離床センサーで防げる転倒は限られています。「トイレの際はコールしてください」と介助を促すことが難しい場合、衝撃吸収マットを敷くなど、けがを防止・軽減させる対策も必要です。