介護現場のヒヤリハット事例集
ヒヤリハット事例で予測する力をつける
介護現場のヒヤリハットの事例を知ることで、起こりそうな事故を「予測する力」を身につけられ、慌てず落ち着いて仕事ができます。ここでは、介護現場の様々なシーンでのヒヤリハット事例を紹介します。
ヒヤリハット事例
- 利用者Aさんのトイレ介助の際、目を離している間に一人で清拭しようとして転倒してしまいました。Aさんは認知症で、立位が不安定であったにも関わらず、一人にしてしまいました。このような利用者のトイレ介助中は、必ず傍で見守る必要があります。
- 車椅子を自走している利用者Aさんを、歩行できる利用者Bさんが後ろから押して手伝っていました。Bさんは認知症で、一度注意してもまた同じようなことをすることがよくあるので、たとえ本人たちが「大丈夫」と言っていてもすぐに止め、必ず職員が付き添うか見守ることを徹底する必要があります。
- 熱いお湯に長時間つかることが好きで「もう少しつかっていたい」「もっとお湯を熱くしてほしい」という利用者の希望に従っていると、のぼせて気分が悪い状態が続きぐったりされていました。1時間程涼んで回復されたようですが、入浴時の湯加減は、希望を鵜呑みにせず必ず様子をうかがいながらすぐに体調変化に気づけるよう注意しなければいけません。
- 起床後、利用者が靴下を履こうとした際に、椅子から転倒してしまいました。椅子に座った姿勢が不安定であったと考えられます。靴下の着脱は前傾姿勢になることで前に倒れやすいので、しっかりと座る姿勢を整えてもらうよう見守る必要があります。
- ベッドから車椅子への移乗介助の際、利用者の身体を支える際に上半身をしっかりと引き寄せられず、自分の足を置く位置も悪かったため不安定な状態になりました。幸いけがなどはありませんでしたが、危うく利用者の足が車椅子に引っ掛かって転倒するところでした。職員一人で介助しにくい場合は、無理な体勢のまま行うことは避け、必ず職員2人で介助しなければいけません。
- 利用者Aさんの食事介助をしていると「そんなに急いで食べられない」と注意を受けました。その時初めてAさんの飲み込みが以前より悪くなっていることに気づきました。その後、ゆっくり少量ずつ口に運ぶようにすると、問題なく食べていただけました。忙しくて急かしたりすることはもちろんご法度ですが、同じペースでも、本人の飲み込む力が低下していることもあるので、しっかりと観察しながら、場合によってはきざみ食やとろみ食への対応が必要となります。
- 朝食配膳時に服薬ボックスを見ると、朝と昼の薬のセットが間違えていました。薬の保管方法が他の時間帯と混合しやすい状態で、また、利用者本人の管理に移行したばかりで、看護師のチェックができていませんでした。内服管理ボックスを色分けして、利用者にも一目でわかるようにしたり、本人管理に切り替えてしばらくは特に気をつけたりするようにしなければいけません。
- 利用者Aさんの通院に同行した際、道端で急に座り込んでしまいました。途中で「疲れた」と言われていましたが、ベンチなどがなく、Aさんも「大丈夫」とのことだったのでそのまま進んでしまいました。体調や体力を考慮した休憩場所を事前に準備していなかったことが原因で、外出前の体調チェックや、外出経路の休憩ポイントの事前確認などを徹底しなければいけません。
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