利用者や家族にとって介護職の存在とは
介護職に従事されている方、これから就職を目指されている方にお聞きします。
介護職の存在意義や価値は何でしょうか?
また、どこにやりがいを感じていますか?あるいは、どこに魅力を感じて志望されましたか?
改めて聞かれてすぐに答えられるでしょうか?
言うまでもなく、介護職はとても社会貢献性が高いお仕事で、人の為になる職業です。
しかし、実際にお仕事をされている方は忙しく、なかなかそうしたことを実感する機会はないかもしれません。
利用者さんから直接感謝されることも、そう頻繁にあるものでもないでしょう。
ですが、これからますます必要とされる介護職。
ぜひ改めてそのやりがいや誇りを持ってお仕事をしていただきたく、私の実体験と想いをもとに、利用者の目線でお話したいと思います。
私にとっての介護職の方の存在
私の父は脳出血の後遺症で右半身が動かしづらくなり、歩けなくなりました。
リハビリをしながらも、家では手すりや人の手を持っての移動。
外では車椅子移動と、介助が必要な状態になりました。
私自身は仕事で外に出ることも多かったため、基本、母が中心に付き添っていたのですが、母もそこまで筋力や体力がある人ではありません。
身体の大きな父を支えるのはなかなか辛いものがありました。
そんな時に頼りになったのは介護職の男性スタッフさんです。
その後、最終的に父はほぼ寝たきり状態になってしまうのですが、それからは特に、ベッドから起こしたり、お風呂に入れてもらったり、力のある男性スタッフさんのサポートがなければできなかっただろうと思います。
お風呂に入れてもらった時の、父の気持ちよさそうな表情を今でも覚えています。
自分たちだけではしてあげられなくても、介護職の方々の力を借りることで叶えられることがたくさんあると感じました。
老々介護と介護職
今や人生100年時代と言われるほど、人の寿命は長くなる傾向にあります。
しかし、長生きすればするほど、どうしても避けられないのが介護の問題。
長生き自体はとても良いことなのですが、そうなると、介護する側も年齢を重ねていくことになります。
これが今、問題視されている老々介護です。
要介護者だけでなく、介護する側の家族も高齢者の為、介護をする体力がありません。
ですが、親や兄弟など、家族を介護する想いは同じ。
そうした人にこそ、介護職の方々による支援が必要です。
家族の負担をできるだけ減らし、介護する側、される側双方に穏やかな生活を送ってもらうことが介護職の使命ではないでしょうか。
ヤングケアラーにとっての介護職の存在
もう一つ社会問題となっているのがヤングケアラー。
ヤングケアラーとは、先程の老々介護とは全く逆で、若い子どもが、何らかの事情で介護が必要になった親の面倒を見ることです。
事故や病気により、満足に動けなくなってしまった親の代わりに、学校等に通いながら家事や、場合によっては育児(兄弟の面倒見)などもしなければなりません。
このような方にも、介護職の支援が不可欠です。
介護する子どもの負担を減らすことはもちろん、介護される側の親御さんの気持ちに寄り添うことも大切です。
親御さんはきっと、子どもに負担をかけていることをストレスに感じているはずですし、お子さんも、口には出さなくとも思うことはあるはず。
その思いを聴くだけでも、心は少し軽くなるものです。
それは介護職の仕事なのか?と思われる方もいるかもしれませんが、介護の一番の目的は、その人が望む介護や生活をできるだけ実現すること。
それには、要介護者の想い、そのご家族の想いに耳を傾けることは絶対に必要だと思います。
その先に、ご家族の幸せな生活づくりのサポートができるのではないでしょうか。
まとめ
今、社会では介護にまつわる様々な問題が浮上してきています。
要介護者の増加、老々介護、ヤングケアラーなどなど…
介護職員の増加は喫緊の課題として、国をあげて様々な取り組みもなされています。
介護職というお仕事は本当に感謝されるお仕事ですし、今後ますますその価値が見直され、必要不可欠な存在となっていくでしょう。
ぜひ、やりがいや誇り、自信を持ってお仕事をしていただけると嬉しいです。