心理学を応用した会話術③
マッチング
心理学を応用した、信頼関係を築くための会話術で「バックトラッキング」では言語そのものを工夫し、「ミラーリング」では動作や表情、ジェスチャーなどを真似しましたが、「マッチング」では話し方を相手に合わせていきます。例えば、話す「スピード」や声の「大きさ」、声の高低などの「トーン」や、かすれた音や甲高さといった「声色」など。人によって使い分けるだけでなく、会話の最中も相手に合わせるように工夫します。その他にも、価値観や方言を合わせていくことも効果的です。
高齢者を子ども扱いしない
昔の介護現場では、子どもに話しかけるように利用者と会話するような光景が見られました。しかし、高齢者は人生の先輩であり、尊敬の念を持って接すればそのようなことはありえません。ゆっくり話す人には、それに合わせてゆっくり喋る必要がありますが、それは決して「赤ちゃん言葉」ではないのです。また、慣れてくれば状況に応じてタメ口で話すこともあるかもしれませんが、職員に対して敬語を話す利用者には、基本的にはこちらも敬語で会話すべきでしょう。
「沈黙」も合わせる
会話を相手のペースに近づけるためには「沈黙」を合わせることも大切です。沈黙が続くと場が持たず、つい何か言いたくなりますが、黙っているということは、何かを考えたり想いをめぐらせたりしている時間なので、その世界観を尊重していくことも必要です。まずは、相手の会話の「間」のとり方を真似することから始めるとよいでしょう。
参考記事
→ 傾聴力を鍛えよう
→ 利用者との信頼関係の作り方
→ 高齢者に伝わりやすい話し方