清拭介助で気持ちよく
清拭で信頼関係を築く
清拭介助は、多くの介護施設で求められることの多いサービスです。はじめての際は戸惑うかもしれませんが、適切な清拭を行うことで利用者との信頼関係を築くことができます。慣れてきても、単純作業にならないよう正しく丁寧に行いましょう。
清拭(せいしき)とは
身体の汚れを落とし、清潔な皮膚の維持や、病気・感染症予防を目的としています。入浴が難しい高齢者などに、温かいタオルを使って身体を拭きます。
一日の終わりに行うことで、身体の不快感が軽減されます。血行が促進され、身体が温まり、リラックス効果も期待できます。また、服を脱いだときに、皮膚や爪などのトラブルを見つけることもあるので、身体の状況を確認しながら丁寧に行いましょう。
清拭は、介護士にとって体力の必要な介助ですが、同様に利用者自身も清拭をしてもらうことで体力を消耗します。丁寧に行うといっても手際よく行う必要があり、体調が途中で悪くなっていないかや力加減に問題はないかなどの声かけや、身体を冷やさないようにする工夫なども大切です。
清拭の方法
施設や事業所によってやり方は様々なので、基本はそこでの手順で行いましょう。清拭をはじめる前に、利用者とコミュニケーションをとりながら道具などを揃えて、体調チェックを行い、適切な室温や、パーテーションでのプライバシー確保など、部屋の環境を整えます。利用者の体調を最優先に行いましょう。濡れタオルは、熱すぎずぬるすぎないように、適温であるか自分の手首の内側に当てて確認します。
全身清拭の場合は、まずは頭、次に顔、そして体へと進みます。頭は、蒸しタオルで蒸らしてから、ドライシャンプーを使って洗髪します。顔を拭く時は清潔なタオルで、顔の中心から外へ向かうように優しく拭きます。
体は、腕や足など、心臓から遠い部位から拭いていきます。また、部位の中でも同様に、心臓から遠い箇所から心臓に向かって拭いていきます。わきの下、指の間、膝の裏などは忘れやすいので気をつけましょう。お尻に床ずれがないかにも注意します。
陰部の清拭は、身体を拭いたものと別のタオルで行います。デリケートな部位のため、可能であれば利用者本人に任せて問題ありません。陰部の後に肛門を拭くように伝えましょう。