無理して頑張ることは悪いこと?
サービス残業の悪循環を考える
介護業界でよくある「サービス残業」。これ実は「利用者のため」「施設のため」と思ってやっている人もいますが、全く、利用者のためにも施設のためにもなっていない上に、むしろ周りに悪影響を与える悪いものかもしれません。
原因は、無理して頑張る人の存在
「(時間切れで)できません」と言ってやめてしまえば、仕事が終わらなくて利用者も施設も困ると考えがちですが、実は「できない」ことに気づいてもらえず、改善できる機会を奪ってしまっているのです。
サービス残業で乗り越えられたことで、施設側は「このままで大丈夫」と思ってしまいます。
けれど現場は大丈夫ではありません。するとやはり他の人が無理して頑張ることを求めれらます。そしてサービス残業は永遠に続くのです。
時間が来たら帰ることが大切
その悪循環を断ち切るには、勤務時間が終了したら、仕事が終わっていなくても帰宅しましょう。
引き継がれた人は少し大変かもしれませんが「帰ってもいい」という雰囲気を作ることができます。
次第に、残業をしなくても回せるようになるか、残業しないとやはり厳しいと認定されれば、これまでサービス残業だったことが、時間外労働として認められるかもしれません。
すると、介護士の基本給に残業代という収入が加わり、給与アップとなって労働環境が良くなります。
労働環境が良くなれば、働きたいという人が増えたり、離職する人が減ったり、人手不足が解消されます。
次第に介護の質も自然と高まり、利用者にとっても良いこととなります。
さらに利用者の評判が良くなれば、利用者が増え、施設にとってもメリットとなります。
実際にはこのように簡単に好循環することは難しいかもしれませんが「無理して頑張らない」ことは、利用者のためにもなる第一歩なのです。