異食が起こる理由
異食とは認知症の中核症状のひとつ
認知症で見られる症状のひとつで、ティッシュ、ビニール袋、洗剤、植物、ごみ、石けんなどといった、食べ物ではないものを口に入れてしまう行為です。窒息や中毒の危険性があるため、注意しなければいけません。まずは、異食が起こる理由について考えてみましょう。
食べ物だと思っている
認知機能が低下すると、食べ物と紛らわしいものを、食べ物だと認識してしまう場合があります。例えば「オレンジの絵が描かれていて、オレンジの香りがする柔軟剤」を飲んでしまったり、「丸めたハンカチ」をパンだと思って食べてしまったりなど。味覚や嗅覚も低下しているため、口に入れてからも間違いに気づかないこともあります。
食事をしていると思っている
食事前後の時間帯や、いつも食事をしている席に着くと、食べ物ではない物を食べようとすることがあります。食卓の花を食べようとしたり、おしぼりを箸でつまんで食べようとしたりなど。物そのものを食べ物だと間違えているわけではなく、今が「食べる状況」であると思ってしまい、本人の中では「食事をしている」つもりなのかもしれません。
とてもお腹が空いている
認知症で脳の機能が低下してくると、満腹を感じる機能も衰え、空腹を感じやすくなります。また、認知症の人の脳は疲れやすく、何か食べて疲れをとろうとすることもあり、そんな時に食べ物と間違えやすいものが近くにあると、つい口に入れてしまうこともあります。
寂しさや不安を抱えている
たばこを吸ったり、ガムを噛んだりする習慣があるように、口に物を入れて食べるという行為は安心感に繋がります。そのため、認知症を持つ人自身に不安があったり寂しかったり、イライラしている時などの落ち着かない時にも異食が起こりやすいと言われています。
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