看取り介護で大切な6つのこと
看取り介護とは
穏やかな最期を迎えられるように身体的・精神的負担を緩和させ、本人の意思を尊重しながらケアをすることです。施設での看取りは年々増加傾向にあり、転職活動の職場選びで「看取り」のある施設を選ぶかどうかも重要になってくるため、看取り介護とはどんなことをするのか、知っておくとよいでしょう。
栄養と水分補給
少しでも長生きして欲しくて「一口だけでも食べて欲しい」という気持ちから食事や水分の摂取を促したくなりますが「看取り介護」を選んだ利用者には、欲求やペースに応じて、食べたい時に食べたいものを食べたいだけ提供することが大切になります。また、看取り期の利用者は、嚥下機能や体力が低下しているため、食事の際は無理のない形態の食事で提供する必要があります。
清潔保持
身体をきれいに保つことで、最期まで人間らしく過ごすことができます。身体状況に応じ、負担をかけない範囲で入浴も行います。入浴を楽しみにしている利用者は多く、短時間でも入浴できるよう援助し、難しい場合は清拭や、可能であれば手浴や足浴を行います。その他、頭皮のケアや寝具の清潔、朝晩の洗顔、口腔ケアなども欠かさず行いましょう。
その人にあった排泄ケア
排泄は、健康状態を知る上で大事な情報です。排尿や排便の量や回数、症状をこまめに観察し、記録します。衰弱が進むと、臓器の機能低下によって便や尿量が減りますが、身体の中にたまった老廃物が排泄されることもあり、一時的に増えることもあります。
苦痛の緩和
終末期には、全身のだるさや発熱、痛み、下痢、吐き気など「身体的苦痛」と死への恐怖という「精神的な苦しみ」があらわれます。楽な体位の工夫と援助を行うなど日常的なケアに加えて、褥瘡や身体の痛みを緩和する処置も適切に行うことが必要です。また、手を握る、身体をさする、寄り添うなどのスキンシップや、励まし・声かけによるコミュニケーションをとって、利用者の不安を取り除けるよう努めていきましょう。
家族への対応
利用者の状況や介護内容を、家族に定期的に詳しく説明します。こまめな連絡・相談・説明は、家族の精神面のサポートにも繋がります。さらに、家族の希望や意向を聞いてその希望を叶える支援も求められます。危篤・臨終時においては、本人への言葉がけ、手を握る、身体をさするなどのアドバイスをします。このような行為は、利用者だけでなく、家族の癒しにもなります。
危篤時と死後変化に対応する
危篤とは、およそ24時間以内に死が予測されるときのことを指します。危篤の兆候があらわれたら、医師や家族への連絡が必要になります。また、亡くなったあとに起こる身体の変化を理解し、適切な処置を適切な時間内で行いましょう。