認知症介護基礎研修と介護職員初任者研修との違いは?
来年4月より、介護職員は認知症介護基礎研修の受講が義務化されます。
しかし、それとは別に、
介護職員初任者研修というものもあるのをご存知でしょうか?
この介護職員初任者研修を受けることで、認知症介護基礎研修の受講は免除されるので、実質、どちらかを受ければ良いことになります。
では、どちらを受けるのが良いのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
認知症介護基礎研修の概要
認知症介護基礎研修は、今後ますます増加する認知症患者に対応するため、介護職員を増やすと同時に、サービスの質も確保するための基礎研修です。
これまでは無資格・未経験でも就職しやすかった介護職ですが、来年4月からは、この認知症介護基礎研修を受講しなければ、無資格では働けなくなります。
研修の内容は、認知症そのものを理解する勉強や、患者さんの症状や心理を知ること、そうした方とのコミュニケーションの取り方、ケアの仕方を学ぶ基本的なものです。
受講料は3,000円(大阪府)で、1日でも取得できます。
また、集合研修の他にeラーニング形式の講座もあり、働きながらでも受講しやすくなっています。
来年4月までとはいえ、まだ慌てなくても大丈夫。
焦らず、予定を合わせて受講を検討してください。
申込方法など詳細は大阪府の認知症介護基礎研修ページ大阪府の認知症介護基礎研修ページをご覧ください。
介護職員初任者研修の概要
介護職員初任者研修は、認知症に限らず、介護職の基礎知識やスキルを身につけられる研修です。
訪問介護の仕事や、介護施設の一部では、この介護職員初任者研修を取得していなければ働けない場合もあります。
資格取得には、講義と演習で構成される約130時間の研修受講と、修了試験に合格することが必要です。
しかし、受講する上で、年齢や実務経験などの条件はありません。
また、介護の仕事をしたことがない方でも理解のしやすい座学と実技を組み合わせた内容なので、誰でも気軽に挑戦が可能です。
介護職として働きたい方はもちろん、家族のために介護知識を身につけたいという方も受講されています。
介護職員初任者研修は、民間の介護スクールにて実施されています。
ぜひ、お近くのスクールを確認してみてください。
初任者研修のカリキュラムは厚生労働省によって一律に定められているので、どこで取得しても、全国で通用する資格
となります。
ちなみに介護職員初任者研修は、2012年までは「ホームヘルパー2級」という資格名称でした。
基本的には変わらないのですが、若干内容が異なる部分もあるので、ホームヘルパー2級の修了者=介護職員初任者研修の修了者 ではないことに留意しましょう。
目的に応じて選択を
上記のように、認知症介護基礎研修と介護職員初任者研修は、それぞれ内容が異なります。
認知症介護基礎研修の方が、費用をあまりかけずに短期間で資格を取得できます。
一方、介護職員初任者研修では、費用と取得期間はかかるものの、介護の基礎知識やスキルは幅広く学べます。
つまり、
・認知症の方と直接関わる機会が多い
・認知症ケアのスキルを向上させたい
・とりあえず資格を取得し、まずは介護職で働きたい
以上のような場合は、認知症介護基礎研修が適しています。
・介護業界で幅広い知識や技術を身につけたい
・将来的に介護福祉士の資格を取得したい
・介護職での長期的な活躍を目指したい
以上のような場合は、介護職員初任者研修の方が適しているでしょう。
ご自身の今の状況や、今後の希望を踏まえて、ぜひご自分に合った研修を受講してください。
まとめ
来年4月以降、無資格の介護職従事者は、認知症介護基礎研修または介護職員初任者研修いずれかを取得する必要があります。
2種類の研修はそれぞれ受講内容や期間、費用も異なります。
ご自身の今の状況や、将来のお仕事で目指すことなどを踏まえ、その目的に合った研修を受講することをオススメします。