認知症介護基礎研修の義務化
認知症介護に必須の研修
現場で認知症介護を行う無資格や未経験の職員に対して、2021年度介護報酬改定で「認知症介護基礎研修」が義務付けられました。現在は、3年の経過措置期間です。
認知症介護基礎研修とは
介護職にとっての「介護職員初任者研修」のような位置付けで、認知症に関する基礎知識を身につけるための研修です。試験などはなく、講習と演習を受講すれば受講証明書が発行されるので、特別難しいものではありません。
目的
- 介護に関わるすべての人の認知症対応力の向上
- 認知症の方の尊厳の保障・介護サービスの質向上
背景
自治体による認知症ケアに関する研修は2001年に「認知症介護実践者研修→実践リーダー研修→指導者養成研修」という構成で創設されていましたが、認知症介護実践者研修でも受講対象者は認知症介護2年以上の経験者で、初心者にはハードルの高いものでした。「認知症の知識を有していない職員が介護をしている」という現状を解消するために「短時間で認知症に関する基礎を学べる研修」として認知症介護基礎研修が作られました。
研修内容
講義:認知症に対する理解と対応の基本
- 認知症の定義や原因となる疾患について
- 認知症患者によく見られる症状や行動、心理とそれに対する理解について
- 認知症ケアの基礎となる考え方
- 認知症に関する基礎知識
演習:認知症ケアの現場における留意点
- 認知症の人とコミュニケーションをとる上で知っておきたいポイント
- 認知症患者の行動の背景や心理を理解した上でどのようにケアをするのか
- これまでの自身の取り組みに対する振り返り
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