歩行介助②
歩行介助の注意点とポイント
それぞれの利用者にあわせて、下記のことに気をつけながら、歩行介助①の種類をうまく使い分けて介助しましょう。
注意点
- 敷居や電気コードなど、障害物をなるべく除き、通路を確保・歩行動線や床が濡れていないかなどのチェックを行いましょう。
- 雨天時や冬の早朝などは滑りやすくなっているので注意し、車が多く通る道路の場合は、介助者が車道側に立つようにしましょう。
- スリッパやサンダルは、脱げたり滑ったりして転倒リスクが高いので避け、足に疲労感を与えない、できるだけ軽く滑り止めのついた靴を使用しましょう。
- 室内の靴下歩行は滑りやすくとても危険です。できれば滑り止めのついた靴下や、室内履きを使用しましょう。
- ズボンの丈が長すぎたり、ウエスト部分が緩んでいたりすると、裾を踏んで転倒する恐れがあるので気を付けましょう。
- 杖先のゴムの劣化、歩行器のネジのゆるみ・タイヤのすり減り具合・フレームのゆがみなど、補助器具のメンテナンスで事故やケガを未然に防ぎましょう。
- 目的地まで一気に進むのではなく、たとえ短い距離でも休憩をはさみ、利用者のペースにあわせます。座って休憩をする場合は、立ち上がりのふらつきに気をつけ、ゆっくりと立ち上がりましょう。
ポイント
- 利用者の歩くペースを保ち、それに合わせるようにゆっくり一歩ずつ、確実に進めていきます。人それぞれに歩き方のクセがあるので、その人の特徴を把握し、利用者にあった歩行介助をすることが大切です。
- 相手の動きに合わせて「イチ・ニ、イチ・ニ」と声をかけながら一緒に動くようにします。重心のある方の足に体重をのせるように支え、歩く動きを助けてあげることを意識すれば、次の一歩がスムーズに踏み出せます。
- 力で歩行を助けることはできないため、全身を支えようとする必要はありません。また「転ばせまい」と過度な密着をすることも、歩行に必要な重心移動の妨げになることがあります。手をつなぐ場合は、右側に立つ場合は介助者の右手で利用者の右手を、左側に立つ場合は利用者の左手を、下から支えるように握りましょう。繋いでいない手は背中側へまわし、腰のあたりや骨盤周辺に添え、場合によっては脇に変えるなどしてもよいでしょう。