介護と看護の違い
介護現場で働く看護師も多い
近年、医療現場や介護現場では、人手不足や、より質の高いケアを提供するために、病院でも介護士が活躍していたり、訪問介護サービスに看護師が同行したりということが増えています。介護士と看護師は、お互いの領域をフォローし合う関係にありますが、ふたつの職種には、具体的にどのような違いがあるのか見てみましょう。
業務内容の違い
身体介護や生活援助が主な仕事である介護職に対して、看護職は、医療分野が主な仕事です。
例)入浴シーン
介護:実際に湯船につからせたり、体をあらってあげたりなど「介助」をする
看護:体温・血圧測定をして、入浴できる体力があるか判断する
考え方やアプローチの違い
例)寝たきり患者の栄養補給方法
介護:食べることが唯一の楽しみなので、食べる意欲がある限り、食べたいものを食べてもらいたい。
看護:咀嚼・嚥下能力の低下により、誤嚥による窒息や肺炎の危険性が高いので、安全な形状で介助したい。
暮らしの観点を大切にする介護職と、危険性などを一番に考慮する看護職で、考え方などが違いますが、多職種間の考えを共有し、合意を作っていく取り組みが必要です。
賃金の違い
一般的に、介護職より看護職の方が、給与が高いといわれています。しかし、近年国は、介護職員の賃金底上げを図ってきたため、管理職にあたる介護福祉士の方が、准看護師よりも給与が高いというケースが出てきました。勤務施設が、病院か介護施設かということにもよりますが、給与額に影響する各種加算の適用が、介護職と看護職では違うということが理由のひとつです。介護現場で働く看護師の処遇改善が進まなければ、一概に看護職の方が、給与が高いとも言えなくなってきています。
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