口腔ケアの重要性
口腔ケアの目的とは
歯磨きなどで、むし歯や歯周病、口臭の予防はもちろんですが、介護施設での口腔ケアの目的はそれだけではありません。口の中だけではなく、全身の健康や精神面にも密接に関係しており、特に高齢者の場合は十分に気を配る必要があります。ここでは、口腔ケアの目的を確認しましょう。
栄養不足を防ぐ
歯周病などで歯茎の状態が良くない場合、咀嚼やのみ込みが難しくなり、しっかり噛むことができないことで十分な栄養補給ができなくなります。栄養不足が続くと、身体機能の低下や認知症の悪化に繋がりかねません。逆に、しっかり噛んで食べられていれば、十分な栄養補給ができ、体力向上に繋がります。
様々な病気予防
飲み込む力が低下すると、唾液や食べ物が細菌と一緒に誤って気道に入ってしまい、誤嚥性肺炎を招く可能性があります。また多くの高齢者は、加齢により、唾液で細菌を洗い流し清潔に維持する「自浄作用」が低下しているため、カゼや感染症にかかりやすい状態になっています。しっかり口腔ケアを行うことで、自浄作用が高まり、感染症や発熱のリスクを減らすことができます。
食べる力の向上
しっかり口腔ケアをすることで、舌の味覚を感じる機能が高まり、食べる楽しみを取り戻すことができるかもしれません。美味しいと感じられず食が細くなっている人も、美味しいと感じることができれば食べる意欲が湧き、栄養面にも精神面にも効果的です。
コミュニケーション機会の増加
口腔ケアにより、口や舌の動きがよくなると、はっきりした発音や滑舌の改善などが期待でき、積極的に会話できるようになります。会話の機会が増えれば、人との交流が活発になり、精神的に元気になれたり外出機会が増えて体力をつけられたりと、メリットは大きいでしょう。