口腔ケアのポイント
口腔ケアの手順
口の中を他人に触られるというのは、不快・不安を感じやすい行為です。できるだけそのような負担を減らせるように工夫しながら、口の中を清潔な状態に保てるようにケアしましょう。ここでは、気をつけるべき点をおさえながら口腔ケアの方法をご紹介します。
①事前の準備
- 体調がよく意識がしっかりとしているときに、リラックスしてもらいながらケアを行うことで、誤嚥を防ぐことができます。
- ケアがスムーズに行えるよう、必要なものを手の届く範囲に整えておけば、ケアを受ける側も安心して受けられます。
- ケアを受ける人の姿勢を整えます。唾液を飲み込まないよう、ベッドの場合は背中を起こし、あごを引いた状態にします。
- 欠けている歯や歯肉の腫れ、口内炎や食べ残しなど、口の中の様子を観察し、うがいをしてから歯磨きを始めます。
②入れ歯の洗浄
- 小さな入れ歯は、誤って飲み込むことのないように慎重に外すようにしましょう。
- 入れ歯は落とすと割れやすいので、水を入れた洗面器などを用意して、その上で洗浄しましょう。
- 変形の恐れがあるので、熱湯は使わないようにしましょう。
- 歯の付け根や裏側、バネの部分など、汚れが溜まりやすい場所は、よりていねいに洗います。
③歯磨き
- 歯磨き粉はつけ過ぎないように気をつけ、1本ずつ丁寧に、小刻みに軽い力で磨きます。
- 歯ブラシはこまめに水で洗浄して、きれいな状態にしてから口の中に戻すようにします。
- 歯だけではなく、舌の上もきれいに掃除しましょう。
- あちこちバラバラに磨くのではなく、一筆書きのような導線で毎回同じ手順で磨き、ケアを受ける人の不安を減らしましょう。