介護士が行う褥瘡予防
褥瘡予防の基本
褥瘡(じょくそう)の発症には、ある程度時間がかかるので、多少圧迫が続いたからといってすぐにできるものではありません。そのため、本来は十分に予防できるものなのですが、それでも入居型の施設で褥瘡が発生するという場合、日頃のケア内容やスタッフ間の連携に何か問題がある可能性があります。介護士として、予防のための業務をひとつひとつ丁寧に行い、合わせて十分な観察を行いましょう。
除圧する
体位交換をしたり、クッションを当てたりなど、一か所に長時間圧をかけないようにします。体位交換の際は、今まで圧がかかっていた部位の十分な観察を行い、赤紫色になっていたり、押しても消えない色になっている場合は、すぐに医師や看護師に報告しましょう。早期発見が褥瘡の悪化予防に繋がります。
摩擦を避ける
こすれあうことで、褥瘡は更に発生しやすくなります。体位交換の際は、できるだけ持ち上げ、利用者の体をずらさないことが大切です。
湿度管理
湿った状況は、褥瘡にとって好環境です。できるだけ通気性のいい服を着せ、衣類はこまめに取り換え、湿潤環境を予防しましょう。
血流の促進
褥瘡は、皮膚組織の極端な「酸素や栄養の不足」によって起こります。抹消から中枢で体を拭き上げたり、入浴などで血流を促進したりすることも予防になります。
栄養管理
酸素や栄養の供給が止まり、さらに圧がかかりすぎると、酸素が行き渡らなくなります。全身的に栄養が足りていれば、ベース栄養分で褥瘡発生を遅らせることができるので、場合によっては食事量を補うための補助食品なども検討して、栄養や水分が十分に行き渡るよう気をつけましょう。