買い物レクをしてみよう
介護レクのアイデアは目的から考える
楽しさや喜びの感じ方は人それぞれ。「楽しませなくては」と悩んで、レクをすることが苦痛になる職員もいるようですが「楽しい」だけにとらわれず、「なぜ」そのレクをするのか、「どうなってもらいたいか」を常に考えて実施し「全員が楽しいレクは存在しない」と割り切ることも大切です。その時は楽しめていなかった人も、目的が果たされ喜んでもらえた時の一助となっていれば、レクは成功だったといえるのではないでしょうか。
目標達成を目指したレクを実施
何のためにレクリエーションをするのかというと「ストレッチのため」「楽しい時間の提供」「他者とのコミュニケーションの機会」などが思いつきますが、本当はその先を考えることが大切です。まずは利用者やご家族が「どんな生活を望んでいるのか」を明確にし、具体的な目標設定をします。例えば「買い物に行きたい」ではなく「一人でシルバーカーを使って、近所のスーパーに行けるようになる」という感じに細部までイメージを膨らませます。それを実現するためのひとつとしてレクを実施すれば、利用者もレクに意義を感じられて参加しやすくなります。
買い物動作を細かく分ける
数年間買い物から遠ざかっている人が、いきなり「一人で買い物」に挑戦は難しいので、細分化された買い物を、レクとしてひとつずつやってみましょう。
- 自宅周辺の地図(googleMapなど)を用意しておき、地図に自宅からスーパーまでの道のりを書いてもらう
- 目印になりそうな建物を確認する(病院・コンビニ・スナックなど)
- 危ない個所はどこか確認する(転倒しそうな場所・交通量の多い交差点など)
- 広告を見ながら、どんな献立がいいか考えてもらう
- 献立はどんな食材を使い、その食材はいくらなのか書いてもらう
- 食材の金額を合計してもらう
- 献立のレシピを書いてもらう
このようなシミュレーションは、地図を読む、危険個所の把握、レシピを考える、計算をする、金銭管理など、脳の活性化を促すことができます。実際にスーパーに買い物へ行くことはハードルが高いですが、過程のひとつひとつをレクリエーションとして取り上げれば、脳トレとしても活用できます。その他にも、例えばお花の訪問販売を利用して実際に商品を購入し、金銭のやり取りをして、購入した花を部屋に飾れば、見るたびに花の癒しを感じられる他「できた」喜びを思い出すことができます。ぜひ様々な買い物レクを取り入れてみましょう。