生活リハビリとは
日常生活がリハビリ
日常生活動作をリハビリの一環として捉え、できる限り自立した生活を送ることです。機能回復訓練を含む本格的なリハビリはできませんが、日常生活のちょっとした行為を通じて生活リハビリを実践すれば、利用者が自立した生活を送れるようにサポートすることができます。
生活リハビリが介護に求められる理由
日常的に接する機会の多い介護職が「生活リハビリ」を意識したサポートをすれば、寝たきり防止や生活機能の維持・向上が期待できます。筋力や嚥下能力などは、使わなければその能力は低下し、生活に支障が出ることもあります。
具体的な内容
食事介助では、介護士が介助するのではなく、持ちやすい箸やスプーン、食器を使って食事してもらいます。入浴介助では、滑りにくいバスマットやシャワーチェアを活用して、可能な限りご自身で洗えるように配慮します。排泄介助では、ポータブルトイレを活用し、移動距離を短くしておむつで排泄せずトイレに行けるようにサポートします。
利用者の「できること」は、環境整備によって増えるものなので、少し頑張ればクリアできるステップを設けるなど、その人に合わせた環境を整備して、結果としてリハビリにつなげていきます。自力でできることを維持できるように配慮し「自分らしい生活」を送ってもらえるよう支援が必要です。
実践のポイント
利用者に無理をさせてはいけません。そのためには、介護士が利用者の特徴を正確に捉えることが必要です。また、介護士個人の判断ではなく、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった異職種と連携して行う方が良いでしょう。施設にリハビリ専門職がいる場合は、どのようなリハビリをすべきかアドバイスをもらい、多職種と積極的にコミュニケーションをとって実践しましょう。