利用者から心づけを渡されたら?
「心づけ」は受け取ってはいけない?!
感謝の気持ちを表す「心づけ」ですが、最近は受け取らない方針が一般的です。現場で渡された時に、どのように対処すればよいか知っておきましょう。
心づけとは
お世話になった人やお世話になる人に感謝の気持ちを示すために与える金銭、品物のことで「あなたを信用している、私の感謝の気持ちも信用して欲しい」という意味があります。日本人は、古くから熨斗紙やきれいな包装をした金品をプレゼントし合って、人と人との絆や繋がりを継続、確認、構築してきました。現在では、その習慣が減ってはきているものの、介護業界では、心づけをしたいという人が少なくありません。
金品は受け取れない
多くの事業者や施設で、利用者から金品を受け取ることを禁止しています。利用者はお金を払ってサービスを受けているので、それ以上の報酬をもらうと、介護報酬以上の支払いとなる可能性があり、公平性を保てないのです。また、利用者からの感謝の対象は、直接介護を担当した人だけになりがちですが、介護は複数の介護士や、多職種の連携、チームで行っているものなので、自分一人が受け取るべきではないと考えましょう。
利用者から心づけやプレゼントを渡されたら、上手く断って受け取らないようにする必要がありますが、万が一受け取ってしまった場合でも、必ず上司に報告して指示を仰ぐ必要があります。大抵は返すように言われると思うので、やはり受け取らないことが大切です。
心づけの断り方
とはいえ「感謝の気持ちを伝えたい」という利用者の申し出を断ることは、相手の気持ちを尊重できず傷つけてしまうかもしれないと感じてしまいます。「規則だから受け取れない」という断り方の他にも、いくつかポイントを押さえておきましょう。
まずは日頃より、仕事以上の関係にならないように、明確な線引きをするよう心がけましょう。例えば、介護サービス以外で何かお手伝いを頼まれた場合は断るなど、利用者と適度な距離間を保ちながらサービス提供をする必要があります。
そして、規則だから受け取れないというだけではなく「ありがとう」の気持ちは快く受け取った旨を伝えることが大切です。時々、手紙と一緒に心づけを置いていかれる場合がありますが、手紙は受け取り、金品の贈り物を、感謝の気持ちを受け取った旨の添え状と共に返品するのもいいのではないでしょうか。
施設宛てに寄付してもらう
それでもどうしても心づけを渡したいという方には、施設宛ての贈り物や、寄付という形であれば受け取ることができる場合があるので、上司に相談の上、利用者やそのご家族に提案してみてはいかがでしょうか。