初任者研修の内容
学べることや試験について
介護の入門資格ともいえる初任者研修ですが、その内容は10項目のカリキュラムを、講義の振り返りを含めて合計130時間、座学を中心に、一部実習も交えながら行います。介護職への就職には、ぜひ受けておきたい研修です。
1.職務の理解
介護施設の種類や、介護職員が必要とされている理由、必要な心構えなどが理解でき、多職種連携についても学ぶことができます。
2.介護における尊厳の保持、自立支援
介護にあたって大切にすべき基本的な理念や、尊厳を守ることの理解、そのために必要なことなどを学びます。また、自立に向けた介護のための方法についても理解していきます。
3.介護の基本
介護職に求められることや介護環境について、今後の社会における介護の必要性などを学びます。その他、安全の確保とリスク対応策、関連する医療やリハビリなどの専門用語、感染の経路やその原因についての理解など、業務上必要となる基礎知識の学習です。
4.介護・福祉サービスの理解と医療の連携
介護保険制度の理念、動向、仕組み、利用方法や障害福祉サービス制度、地域包括ケアシステムについて、医療やリハビリテーションの仕組みや連携などを学びます。
5.介護におけるコミュニケーション技術
コミュニケーションの重要性、信頼関係の築き方などを理解します。利用者とその家族とのコミュニケーション方法や、記録の種類、書類の作成、ヒヤリハット、ケアカンファレンスなども学びます。
6.老化の理解
高齢者がかかりやすい病気やその対策、生活上で注意すべきことなどを理解し、加齢による身体や心の変化や疾病による症状や訴えなど、日常生活への影響を学びます。
7.認知症の理解
認知症を取り巻く状況や基本的な関わり方、認知症ケアの理念、加齢との違い、認知症の原因、健康管理のポイント、認知症に伴う心身の変化と日常生活の他、具体的な実務内容を学びながら、症状別のケア技術を身につけていきます。
8.障害の理解
障害の概念、医学的分類、ノーマライゼーションや障害者家族との関わり方の理解により、障害ごとの症例を把握し、アプローチや支援の方法を学びます。
9.こころとからだのしくみと生活支援
移動、体位変換、食事補助、排泄、入浴の実習により、現場で介護ができるレベルの技術や知識を習得します。
10.研修の振り返り
研修で学習したことを振り返りながら、介護職のあり方を学び、修了試験を受験します。修了試験は殆どが選択問題で、記述式の解答はありません。問題形式に慣れるためにも、過去問題の確認も大切です。