介護職は何歳からでも働ける?
今や業種を問わず人材不足に悩まされている企業が多いですが、中でも介護職は少子高齢化に伴い、今後ますます介護職員が不足することが予想されます。
正社員の介護職員は定年が定められており、一般的には他の業界と同様、60歳~65歳頃に設定している介護施設が多いでしょう。
しかし、定年後に嘱託職員や臨時職員といったかたちで再雇用する場合や、派遣やパートなど、正社員以外での雇用形態も多いです。
とにかく働き手を確保したい介護業界。
募集要項を見ると、未経験者も歓迎という場合も多いですし、仕事をする体力や健康状態に問題がなければ、年齢に関係なく雇用される可能性は十分にあります。
介護職員の需要と供給
冒頭で述べたとおり、今後も少子高齢化社会は続き、働き手は減る一方、要介護者は増加の一途を辿るでしょう。
厚生労働省が発表している「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」のデータによると、
2025年度には約243万人
2040年度には約280万人
の介護職員を確保する必要があると推計されています。
果たしてそれだけの人材が確保できるでしょうか?
もちろん、介護施設側からしても、できるだけ若い職員が居てくれたら…という思いはあるでしょう。
しかし、ただでさえ働き盛りの世代がどんどん減っていく中で、介護職を選ぶ若者となると、どれだけ貴重な存在かということになります。
現時点でもすでに、年齢や経験を問わず、雇用の間口を広げている事業所は多いです。
介護職員の平均年齢
では、実際に働いている介護職員の方はどのような年齢層が多いのでしょうか?
公益財団法人介護労働安定センターの「令和3年度 介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」によると、
介護職員の中で最も多いのは、45歳~49歳で13.8%。
次いで40歳~44歳で13.4%
50歳~54歳13.1%
55歳~59歳11.0%
と続きます。
思ったより年齢層が高めだと思いませんか?
対して若い世代はというと、
35歳~39歳が9.9%
30歳~34歳7.0%
25歳~29歳4.3%
と2桁にもなりません。
職員の中心は間違いなく中高年以上の方と言えるでしょう。
65歳~69歳の方でも4.6%と、20代より多いのですよね。
つまり、セカンドキャリアとして介護職に挑戦する場合でも、同じような世代、境遇の人がいる可能性が高いのです。
その点では、年齢や未経験であることを気にせず、比較的職場に馴染みやすい環境でもあると思います。
また、利用者の方との年齢も近くなるので、若手職員よりもコミュニケーションを取りやすい場合もあります。
介護職の多様な働き方
年齢制限がないとはいえ、ご自身の健康があってこそ働けます。
無理をしてご自身が体調を崩されては、元も子もありません。
そこで、慣れるまでは派遣やパートで、フルタイムではなく時短や、週に3日など、勤務時間を制限するのもポイントです。
とにかく少しでもスタッフを確保したいので、働き方はある程度融通してもらいやすいでしょう。
働けるうちに最初からバリバリと、と思う気持ちもありますが、まずは自分が介護職(職場)に合うかどうかを慎重に見極めることが大切です。
最近ではシニア世代の再雇用を狙った介護職求人も増えており、定年前後からの再挑戦もしやすくなったことは大きいですね。
まとめ
介護職は今、本当に求められている職業の一つで、少しでも働き手を増やそうと、様々な取り組みがされています。
雇用形態、働き方が多様化しているのもその一つ。
年齢を重ねても、何歳からでも、未経験でも雇用のチャンスがあり、無理のない範囲で働き続けることが可能です。
生涯現役で働きたい方にはピッタリの職業と言えるかもしれません。