介護職は無資格では働けなくなる?認知症介護基礎研修の義務化とは?
2024年4月より、「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されることをご存知でしょうか?
これにより、いままで無資格で働いていた介護職員の方は、来年4月までにこの研修を必ず受けなければいけません。
とはいえ、研修の受講そのものは割と気軽にでき、そこまで時間も取られません。
また、条件により経過措置や免除される場合もあります。
そんな認知症介護基礎研修の受講義務化について、詳しく見ていきましょう。
認知症介護基礎研修の受講義務化の背景
日本は既に超高齢社会になりつつあり、それに伴い、認知症患者数が増加しています。
研究によると、2025年には高齢者の約5人に1人が認知症患者になると推計されています。
そんな中、介護職員を増やすことは急務で、現時点では、無資格、未経験でも働きやすい職業としても注目されています。
しかし、やはり資格や経験の無い人は、どうしても知識不足が懸念されます。
職員増加と同時に、全ての職員が適切な介護を提供できることも重要視されています。
そこで、無資格の介護職も、認知症患者に対する基本的な知識や技術を習得できるよう、基礎研修が義務化された、という背景です。
受講により、より適切なケアが行えるようになります。
認知症介護基礎研修とは?
この研修では、文字通り、認知症の基礎知識を学ぶ研修です。
具体的には、
・認知症に関する現状と課題
・認知症の定義と原因
・認知症の主な症状や行動についての理解
・認知症ケアにおける考え方
・認知症ケアについての基礎的な技術
などが学べます。
認知症そのものに対する理解を深め、患者さんの状況や心理を知ること、
認知症の方とのコミュニケーションの取り方やケアの方法を知ることができ、介護サービスの基本を身につけるのに欠かせません。
認知症介護基礎研修の受講は難しい?
そんな認知症介護基礎研修ですが、受講は難しいものなのでしょうか?
実はそうでもありません。
内容はごく基本的なものですし、1日で取得可能。
また、集合研修の他にeラーニング形式の講座もあり、働きながらでも受講しやすくなっています。
受講料も3,000円(大阪府)と、他の資格取得と比べると高くありません。
研修とはいえ、あまり身構えることなく、気軽に受けても問題ないかと思います。
現在、介護職に就いていてまだ無資格の方は、来年4月までに忘れずに受講してくださいね。
申込方法など詳細は大阪府の認知症介護基礎研修ページ大阪府の認知症介護基礎研修ページをご覧ください。
研修の受講が免除または猶予される条件
介護福祉士や看護師など、特定の資格を取得していたり、研修を受けている場合は受講が免除されます。
具体的には、
実務者研修、 介護職員初任者研修、 生活援助従事者研修、介護職員基礎研修課程、生活援助従事者研修、 訪問介護員養成研修一級課程・二級課程、 認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者研修などを既に修了した者。
介護福祉士資格取得者、介護支援専門員取得者。
福祉系高校で認知症に関する科目を受講した者(卒業証明書が必要)。
養成施設で認知症に関する科目を受講した者(卒業証明書と履修科目証明書が必要)。
人員配置基準に基づいて従業員数にカウントされない者。
直接介護に関わることがない者。
以上に当てはまる方は、受講は必須ではありません。
また、来年4月以降に新たに介護職に従事する場合、新入職員には1年の受講猶予期間が設けられます。
つまり、4月以降、無資格=就職できない ではありません。
まとめ
2024年4月に義務化される「認知症介護基礎研修」の受講。
しかし、今からの対応でも十分に間に合いますし、身構える必要はありません。
むしろ、既に介護職に従事されている方にとっては当たり前の内容かもしれませんし、それをあえて復習することもまた、サービス向上に役立ちます。
そして、これから介護職に従事されようとしている方にとっては、より実践的且つ基礎的な内容を学べるので、最初から自信を持ってサービスを提供できるでしょう。
ぜひ、お早めの受講をご検討下さい。