介護の基本は「声かけで合意をとる」
一方的にならない声かけを
介護において「声かけ」が重要であることはよく言われますが「どのような声かけをすればいいのか」というところで悩む方は少なくありません。人生の先輩である高齢者に敬意を払いながら、気持ちよくかつ手早くスムーズに行うために、声かけを理論的に考えて実践してみましょう。
お願いではなく提案する
利用者に何か行動を促したい時「〇〇してください」とお願いしていませんか。これは言い方やお願いされた側の捉え方次第で「命令」になってしまいます。また「〇〇しましょう」というお誘いもやはり少し一方的です。お願いやお誘いは、相手の「イエス」を前提とした声かけになります。
一方で「〇〇しませんか」という声かけは、お誘いのようにも聞こえますが、提案して尋ねるスタンスになります。そのため、相手が受け入れるかどうかが、単にお誘いするよりも判断の幅にゆとりができて、拒否することへのハードルも下がり、一方的になりにくくなります。
そこに「〇〇だから」と、提案している理由や根拠を示すことで、拒否されにくくなります。「理由や根拠+提案と質問」というセットで使えるようになりましょう。
「〇〇だから、〇〇しませんか」
この声かけは、合意を得やすくなります。また、パターンはいくつもあります。利用者によってパターンが多かったり少なかったりもします。気持ちよく合意してもらうためには、相手のニーズを理解し、それに合わせた「提案の理由や根拠」の引き出しを沢山持って、最適なものを相手に示す必要があります。
またこのように合意をとりながら介護をすすめるには、利用者と介護士の間だけではなく、介護チームによる合意も必要となります。