調理師として介護施設で働くには
介護施設での調理師とは
介護施設の調理求人で、調理補助・調理スタッフと書かれている場合は、資格の有無に関係なく働くことができますが「調理師」と明記がある場合は、国家資格の調理師免許が必要です。
お仕事内容
調理師は、入居者に合わせた調理法(減塩、ペースト食、ソフト食、とろみ食、きざみ食)で食事をつくります。ただし、施設によっては、全て施設内で手作りのところもあれば、レトルト食品やチルド食品を温めて盛り付けるだけのところなど様々です。
調理の他にも、配膳・片付け・メニュー考案・食材の管理(発注・買い出し)などを行いますが、施設規模によっては、調理師は調理だけで、盛り付けや配膳はその他の調理員が行うなど業務分担をしている場合もあります。その他、メニュー考案は栄養士や管理栄養士に任せ、調理師は調理業務に専念する場合もあります。
また、調理師であっても、空いている時間に施設内の清掃業務を任される場合もあります。
調理師免許取得のための2つのルート
- 厚生労働大臣の指定する調理師養成施設(専門学校など)に1年以上通い卒業をしたのち、各都道府県知事から調理師免許の交付を受ける
- 飲食店での2年以上の実務経験を積み、調理師試験に合格したのち各都道府県知事から調理師免許の交付を受ける
実務経験ルートで気をつけること
調理に関わる職場で、週に4回以上かつ1日6時間以上の勤務を2年以上継続した実務経験を積み、職場から勤務実績の証明書を発行してもらう必要があります。複数の職場で働いている場合は合算も可能ですが、証明書の発行が間に合わない場合は認められませんので注意しましょう。
また、喫茶店やカフェの場合、飲食店営業許可と喫茶店営業許可のどちらで営業しているか確認が必要です。喫茶店営業許可のもと営業している店での勤務は調理の実務経験として認められません。
寄宿舎、学校、病院など、給食施設での調理経験も調理の実務経験として認められますが、規模の規定があるので気をつけましょう。
勤務時間・休日・夜勤など
施設によって様々ですが、3交替制や4交替制が多く、遅番でも夜勤はなく20時には業務終了のところが殆どです。
シフト制の4週8休や、週休2日が一般的です。残業も施設によって大きく違いますが、多い所では月に20~30時間ある場合もあります。
介護施設での調理師の需要
介護施設では、施設の規模に応じて調理師(調理員)の配置基準を満たした人員を確保しないといけないので、一定の求人はありますが、欠員補充は紹介などで決まることも多くなかなか見つけることができません。新規施設開設の場合でも募集はそれほど多くはないので、求人をこまめにチェックするなど情報収集を大切にし、転職活動期間も余裕を持ってみる必要があります。
調理師のキャリアプラン
介護施設の調理員として既に2年以上の実務経験を積んでいる場合は、調理師免許の試験を受けて調理師資格を取得すれば、資格手当がもらえたり、正社員に登用されたり、転職でより良い条件の職場で働くことも考えられます。調理師として勤務がスタートすれば、その後は、マネンジメント業務を任されるような立場になれるよう、経験やスキルを磨いてキャリアアップを目指すとよいでしょう。